ブランドとは、ブランドの基礎について徹底解説!

ブランディング

今回は「ブランドとは」について解説していきます。

今回の記事を読んでもらう事で、ブランドの考え方と、基本的要素を合わせた「ブランドの全体像」が理解できると思います。ぜひ最後まで読んでみてください。

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ブランドとは ~ブランドの定義~

ブランドと言うと、ルイ・ヴィトンやエルメスといった高級ファッションブランドや、ベンツやレクサスといった高級車を思い浮かべる人はいるのではないでしょうか。

一般的には「一流のもの」とか、「高級なもの」をイメージしがちですが、実はそうではありません。

ちなみに、ブランドの語源は、ノルウェーの古ノルド語で「焼印をつける」という意味で「brandr(ブランドル)」が語源だと言われています。

昔、当時の放牧民族が飼っていた牛などの家畜が、「違う人が飼っている家畜」と一緒にならない様に、「これは私の家畜だ!」と自分が所有している家畜に「焼き印」を押していたのです。

それが時を経て、「その人の所有物を識別するための焼き印」から、「競合他社と差別化する為の独自の特徴」を「ブランド」として示すようになりました。

そして、ブランドとは「ある商品やサービス」の事だけを指すのではなく、もっと広い意味を持っています。例えば、「ユニクロ」といったアパレル事業や、「Google」「Instagram」といったインターネットサービスも、サービスのブランドの一つです。

商品・サービスが「消費者・顧客」に識別して初めてブランドと呼ぶ

ブランドとは、

ブランドとは、ある特定の商品やサービスが、消費者・顧客によって「識別されている」とき、その商品やサービスを「ブランド」と呼ぶ。

(一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会による消費者・顧客から見た「ブランドの定義」)

時間をかけて消費者とコミュニケーションをとり、消費者・顧客が「識別できる」状態になって初めて「ブランド」と呼びます。つまり、ブランドは一夜にして作る事はできないのです。

そして、その商品・サービスが「ブランドであるかどうか」は、値段が高い、低いという事は一切関係ありません。

あくまで、ブランドは 「 消費者側の判断」なので、飲料・ファストフードといった低価格帯の商品でもブランドは作る事ができます。

ちなみに私がコラムやTwitterを発信しているのは、個人ブランディングの一貫でもあります。まずは「届けたい相手に識別してもらう為」に発信(コミュニケーション)しているのです。

「私」にとってはブランドでも、「あなた」にとっては違う!?

何度も言いますが、ブランドとは、ある特定の商品やサービスが、消費者・顧客によって「識別されている」状態を言います。

顧客が別の人、例えば20代と30代の人がブランドを見た時、または男性・女性や、もしくは趣味・好みが違う人が見た場合、そのブランドは識別されない事が起こります。

このようにブランドは消費者・顧客側にあるので、人によって「ブランドだと思うかどうかの違いが出てくる」という事です。ブランドは「一般的に有名であるかどうか」は関係なく、「自社(個人)が識別されているかどうか」がポイントになってきます。

発表したばかりの時は、どんな商品・サービスも「ブランドゼロ」

ブランドゼロ

企業(個人)が世の中に商品・サービスを発表したばかりの「スタート時点での商品・サービスの状態」を「ブランドゼロ」と呼びます。

欲しい!いいね!と感じる「ブランドプラス」

企業(個人)が消費者・顧客とコミュニケーションをとった事で、消費者・顧客はブランドを「識別」します。その時、お互いにコミュニケーション(接触)を繰り返す中で、顧客からブランドに対して2方向の評価が発生します。

まず一つ目が、「いいね」「好き」「買いたい」など評価がプラス(+)になった場合、この状態を「ブランドプラス」と呼びます。ブランドプラスの場合、商品・サービスの購入に結び付く可能性が高く、良い評価になりやすいです。

嫌だ!欲しくない!と感じる「ブランドマイナス」

逆にブランドに対して、「いやだ」「欲しくない」「嫌い」といったマイナス(-)方向の評価がされた状態を「ブランドマイナス」と呼びます。これは、商品・サービスを購入しない大きな理由になります。

ブランドプラス・ブランドマイナス

ブランドは、消費者の購買行動に影響する

このように、ブランドはプラスのイメージを持つ場合と、マイナスのイメージを持つ場合があり、顧客の購買行動に大きく左右します。

私達は「ブランドゼロ」の状態のブランドを「ブランドプラス」に引き上げるように商品・サービスまたは企業(個人)を成長させることが重要です。逆に「ブランドマイナス」の状態に陥らないよう、前回のコラム、ブランド戦略の記事でもお伝えしましたが、「経営理念」から一貫した行動を行う責任があるのです。

ブランド・エクイティ(資産)

「ブランド」とは企業(個人)にとって「資産」です。企業(個人)にとって資産的に価値あることを「ブランド・エクイティ」と呼びます。ブランド・エクイティは以下の4つに分類されます。

ブランド・ロイヤルティ

顧客によるブランドへの忠誠心の事。高いロイヤルティを持っている顧客がいれば、売上や利益への強固な基盤となります

ブランドの認知度

ブランドが知られている度合いの事。認知度が高いブランドは、競合企業と比べて有利にビジネスを進めることができます。

知覚品質

顧客がそのブランドの商品・サービスの品質をどのように評価しているか。信頼性や雰囲気なども評価の対象となります。

ブランド連想

ブランドから連想される、言葉や感覚的なイメージの事。顧客が競合企業と比較したときの、ポジショニングにつながります。

ブランド・ロイヤルティ

ブランドの種類

ブランドは、企業や、製品、サービスだけを対象としているのではありません。ここでは代表的なブランドの種類をご紹介します。

製品ブランド

一般的に「ブランド」と聞いてイメージする代表的なものは、「製品ブランド」でしょう。あらゆる製品は、飲料、食品、家電などのジャンルにかかわらずブランド化する事ができます。

また製品価格にも制限はありません。高価格帯の商品、低価格帯の商品もそれぞれブランド化する 事 ができます。

例 iPhone ポカリスエット キットカット 

ファミリーブランド

「ファミリーブランド」は、複数の製品で構成される「製品ファミリー」がブランド化した状態を言います。

製品単体がブランド化し、顧客から指名買いされる状態になるとすぐに、企業はその製品のシリーズ製品を開発し、ブランドをファミリー化します。

近年ではこういったマーケティング戦略がよく見られるようになりました。製品単体より、ファミリーになることで、顧客への認知度が高くなります。

また全シリーズ商品の総合力でマーケティング効率が高まるため、企業はこのような展開を積極的に行っています。

例 トヨタカローラ ネスカフェ ビオレ

サービスブランド

「サービスブランド」は、そのサービスがブランド化した状態を言います。ジャンルに関わらず、サービスはブランド化する事ができます。

サービスはそれを提供する人や、場所、器具、技術の集合体であり、時間軸に沿ってさまざまな体験を顧客に提供するものです。

そのサービスが顧客に見える部分は顧客にとっての「ブランド体験」と言い換えることができます。または「ブランド経験(エクスペリエンス)」とも呼びます。

例 スターバックス 東京ディズニーランド YouTube

コーポレート(企業)ブランド

コーポレートブランドは、企業以外にも、一般社団・学校法人、医療法人、農業法人、組合など、あらゆる組織が対象となります。組織をブランド化すると、その組織への信頼、信用を増す事ができます。

新商品や新サービスは、誕生したばかりでは、「ブランドゼロ」の状態ですが、「この企業が発売する新商品(サービス)だから間違いないだろう」という信用のもとに、マーケティング活動を展開することができるなどのメリットもあります。

例 Apple トヨタ自動車 ファーストリテイリング

事業ブランド

組織の参加にある仕事の大きなまとまりを「事業」と呼びますが、その事業についてもブランド化することができます。これを「事業ブランド」と呼び、1つの組織の中に複数の「事業ブランド」が存在する事があります。

例 Panasonic ユニクロ セブン-イレブン

地域ブランド

場所や地域の特徴を生かした商品やサービス、または地域そのものについてもブランド化する事が出来ます。これを「地域ブランド」と呼びます。他の地域にはない特徴や違いを明確にし、他の地域と差別化することが目的です。

例 松阪牛 関サバ 富士山

パーソナルブランド

個人の「人」についてもブランド化することができ、これを「パーソナルブランド」と呼びます。パーソナルブランドを強化する事で、個人、法人や店舗経営者などに特に必要とされています。

例 スティーブ・ジョブス イチロー カーネル・サンダース

ビジネスにおける「強いパーソナルブランド」とは、顧客ニーズが生まれたときに、真っ先に思い出してもらえるビジネス・パーソンの事です。真っ先に思い出してもらえる事で、仕事を依頼される可能性が高くなります。

パーソナルブランドは、名前、肩書と強く結びついており、名前や肩書の設計がとても重要です。またパーソナルブランディングを実践する上で、ブランディング対象者の服装、名刺、プロフィール、ブログやSNSの運用、提供しているサービスなど、その人を取り巻く様々な要素を、ブランド、アイデンティティに沿って整える必要があります。

ブランドの想起

ブランドは顧客にどのように「想起」されるのでしょうか?ブランドの想起のされ方は大きく2通りあります。

ブランド再認 見て、聞いてわかる

「ブランド再認」は、ブランド要素(ロゴ・キャッチコピー、キャラクター、色、音など)に接した時に、ブランドを認識する事です。

ブランド再認

街中で、企業のロゴやキャラクターを目にしたり、キャッチコピーや音がふと耳に入っただけで、特定の企業や商品、サービスの存在を認識した経験はありませんか? この現象を「ブランド再認」と呼びます。

例 駅のホームで黄色いMのマークの看板を目にした時、即座に「マクドナルド」と分かった。周りにいた友人も分かったみたいだ。

ブランド再生 ニーズから思い起こす

「ブランド再生」は、消費者、顧客が、あるカテゴリーを言われたときに特定のブランド名を思い起こすことです。

ブランド再生
例 「家族で楽しめるテーマパークと言えば?」と聞かれて、真っ先に「東京ディズニーランド」が浮かんだ。家族で楽しんでいる姿や、現地で「ミッキーマウス」と一緒に写真を撮っている姿までイメージできた。

ブランド再認・ブランド再生の関係性

ブランド再認では、ブランドに対する知識があるだけなので、顧客の購買行動にはつながりにくいです。

ブランドの想起

「購買行動につながる為にはニーズと結びつくブランド再生を目指さなければいけません」しかし、顧客がブランドに対しての知識がない状態で、ニーズと結びつくことはありえないので、ブランド再生するにはまず、ブランド再認できる事が条件になります。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、「ブランドとは」についてご紹介させて頂きました。ブランドとは、「届けたい相手」に識別されてからがスタートです。

あなた独自の特徴や強みを明確にし、日々の活動の中で、「ブランド再生」と「ブランド再認」を繰り返し行う事で「あなたらしさ」を届けたい相手に発信していきましょう。

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山本加寿行

山本加寿行
らしさをカタチに
マスタープラン株式会社 代表取締役

福岡県福岡市在住

一般財団法人ブランド・マネージャー

過去10年で全国1200社以上の住宅企業のWebサイトの解析と集客支援研修を通じてWeb担当者育成に携わってきました。

ブランディングや日々の経営者として日々感じる事や学びをアウトプットをしています。



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