前回のコラムでは、ブランド戦略の全体像と重要性についてお伝えしてきました。今回のコラムでは、あなたの会社の商品・サービスに対して、「何を、どうすれば、ブランド化できるのか」についてお伝えしていきます。
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ブランディングとは
ブランディングとは、企業側の「こう思われたい」と、顧客側の「こう思う」のブランド・イメージを一致させることです。
「早い、安い、うまい!」と言えば?
「お、ねだん以上。」と言えば思い浮かぶお店は?
そうです。吉野家・ニトリですよね。
このように企業は、CMや広告などのマーケティング活動を通じて、企業の商品やサービスがブランディングされる事で「相手の心の中のイメージ(心象)作り」を手伝っているのです。
ブランド・アイデンティティの作成
企業は自社の商品やサービスをブランディングするには、「選ばれたい顧客」に対して「私達はこう思われたい」という明確な「旗印」を立てなければいけません。その旗印を「ブランド・アイデンティティ」と呼びます。日本語で言うならば、「○○らしさ」という言葉が適切ではないでしょうか。
「ブランド・アイデンティティ」は企業側が設定した「私達はこう思われたい」という「在り方」の宣言の事で、ブランディングはまず、自社の「ブランド・アイデンティティ(らしさ)」を設計する所から始まります。
個人の場合においても同じで、あなたの周りにも誰もが認める「あの人らしさ」を持っている人はいないでしょうか。芸能人を見ていても感じる時がありますよね。それも全て、「私はこう思われたい」という明確な旗印と、それを見てる人が感じてるイメージが一致しているのです。
ブランド・アイデンティティの例
・サードプレイス(スターバックス)
・世界中の情報を整理し、世界中の人々からアクセスできて使えるようにすること(Google)
・大切な人や大好きなことと、あなたを近づける(Instagram)
・クラブ以上の存在(FCバルセロナ)
ブランド要素とは
そして、企業は「ブランド・アイデンティティの旗印」を基にした「ブランド要素」と「ブランド体験」を設計します。「ブランド要素」とは、ブランド名、ロゴ、キャラクターなどの、顧客がブランドを識別する手がかりになる要素の事です。
またブランド要素は「企業側が意図してコントロール可能なもの」のみを指し、ブランド要素はブランド・アイデンティティから一貫性をもって設計し、管理運用する必要があります。
9つのブランド要素
代表的な9つのブランド要素を紹介します。
➀ブランド名
例:Apple Panasonic UNIQLO(ユニクロ)
ロゴ、マーク
補足:ロゴや文字をデザインしたもの。デザインする事で会社名や商品をシンボル化。
③色
補足:色(ブランドカラー)は、ブランドを象徴する色。
④キャラクター
補足:キャラクターは実在または架空の人物、動物など。ブランドの象徴(シンボル)。
⑤パッケージ、空間デザイン
補足:パッケージは商品の価値を高め、初めて見た時の他社商品との差別化する手段。
⑥タグライン
補足:ブランド名とともに表示するキャッチフレーズ。例:すべてはお客さまの「うまい!」のために。(アサヒビール)、水と生きる(サントリー)、愛は食卓にある(キューピー)
⑦ジングル、音楽
補足:社名や商品名などをアピールするために使う、響く言葉、短い曲、歌、効果音など。
⑧ドメイン(URL)
補足:ホームページを展開する際の、インターネット上の住所のようなもの。
⑨匂い
補足:企業はブランド・アイデンティティにあった匂いを活用する事で他社との差別化する事が出来る。
それ以外に手触り、体感(のどごし)、味(フレイバー)などもブランド要素になりえます。そうやって企業はブランド・アイデンティティに沿った好ましい連想を顧客に起こしてもらう事(連想・連結)を目的に、9つのブランド要素を作成していきます。
要するに、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)に訴えるものは全てブランド要素になるという事ですね!
ブランド体験とは
ここからは、「9つのブランド要素」を組み合わせて設計する「ブランド体験」についてお伝えします。「ブランド体験」とは、顧客がブランドと接するあらゆる接点(コンタクトポイント)の事で、先ほど述べた「9つのブランド要素」を組み合わせて構成していきます。
ブランド要素に含まれる広告、ホームページなど企業の販売促進活動から、実際の利用体験を通じて、「ブランド・アイデンティティと結びつくブランドを連想・連結させられるように、一貫性をもって設計・管理運用し続けることが重要です。
ブランド体験は時間軸に沿って
ブランド体験とは、顧客がブランドを認知した状態から購入、そしてリピートするまでのシナリオの事です。ブランド体験は時間の流れに沿いながら「When(いつ)」「Where(どこで)」「What(何を)」「How(どのように)」を意識して設計し、複数のブランド要素を組み合わせてシナリオを設計していきます。
例えば、チラシや看板、カタログなどの営業ツールやホームページ、SNS、YouTube、メルマガなどのWeb関連の施策や、店舗内のインテリアやスタッフ、接客や挨拶なども含まれます。
スターバックスに行った時に店員さんから「いらっしゃいませ」ではなくて、「こんにちわ」と挨拶された事はないでしょうか。これもブランド体験の一つと言えますね。
ブランドを体験する前
顧客がブランドを体験する前は、ブランド体験の入り口です。ここではブランドを認知し、顧客に興味を持ってもらい、「このブランドと関わってみたい」と顧客に強く意識してもらう事が重要です。
例:Instagramで近所の居酒屋の情報を探している時に、美味しそうな料理の写真がアップされたお店の投稿を見て、今度の週末と一緒に行ってみよう!と思った。
ブランド体験中(購入検討~購入)
ブランド体験中は、購入検討の段階から、実際に購入するまでの間の事です。この段階では顧客にブランドの「機能的価値」や「情緒的価値」を理解してもらい、納得してもらう為の重要な接点(ブランド体験)の事を言います。
機能的価値とは「商品・サービスそのものが提供する価値」 情緒的価値の事を「商品・サービスを使う事で体感する心理的価値」の事です。
例えば、iPhoneやiPadなどのApple製品の場合、
機能的価値
・シンプルでスタイリッシュなデザイン。
・ 画面がとても美しい。
・ 感覚的に操作できる。
情緒的価値
・ 持っているとオシャレなイメージが持てる。
・ 最新・最先端を体感できる。
みたいな感じです。企業は商品・サービスを通じて、機能的価値、情緒的価値の両方を満たす事で、より顧客をファン化していく事が大切です。ブランド体験中の具体的な施策としては、パンフレット、イベント、店頭、ディスプレイ、また従業員やスタッフの服装、挨拶、具体的な接客などがあります。
この段階では、ブランド・アイデンティティをしっかりと伝える事で顧客にブランドの「想い」を共感してもらうことができます。ブランド要素の中でも難易度が高い「ジングル、音楽」や「匂い」を織り込みやすいのはこのカテゴリーです。
例:結婚式のブライダルイベントでスタッフの清潔感のある服装と対応の良さに好感を持った。翌日、式場も見させてもらい非常に雰囲気も良く、もらったパンフレットの中身も素敵でここで結婚式をする事を決めた。
ブランド体験中
ブランド体験中は、ブランドを購入してから使用している間の事です。この段階のブランド体験は、顧客に「このブランドを選んで間違いなかった」と感じてもらい、「ブランドとさらに深く関わりたい」と思ってもらう段階です。
具体的には空間デザインや、サービスメニュー、パッケージデザインやギフト包装、ショップカードなどがあります。この段階では「サービスを買ってもらったのでもういいか」と、ブランド施策に気を抜いてはいけません。この段階の施策では購入した事でさらに喜びを覚えるような充実した施策を実施していきましょう。
例:新しい家電を購入した後にその後の景品大会のくじを引いたら、バルミューダのトースターが当たってとても嬉しかった。
ブランド体験後の評価
ブランド体験後の評価は、ブランドを購入、使用した後で、ブランドを評価している状態の事です。この段階の施策で重要なのは、顧客の満足度を上げる事。購入へのお礼状(サンキューレター)や、他の商品・サービスのお知らせを送ったり、アフターサービスも含まれます。
ブランドへの興味が増しているこの段階では、さまざまなブランド要素が浸透しやすいので割引券や再購入を促すダイレクトメールも効果的です。
例:あるブランドの財布を購入した翌日、その財布を購入した店舗スタッフから、直筆のサンキューレターが自宅に届いた。財布を購入いただいた感謝が述べられていて、とても感動した。
ブランド再検討(リピート)
ブランド再体験(リピート)とは、一度ブランドを体験した顧客が再購入を検討している段階です。ブランド側からのアプローチは、DM、クーポンの送付、メルマガ、SNSでの接触などがあります。
この段階での顧客は、時間が断つにつれてブランドの特徴を忘れてしまったり、競合ブランドにも興味を持ったりしている状態です。再購入は、初回に比べて意思決定がしやすい状態なので、定期的にアプローチをかけ、再訪問・再購入につながる施策を設計していきましょう。
例:あるアパレルブランドの会員向けの特別セール情報がスマホに届き、ちょうど欲しいと思っていた服がセール対象になっていたので店舗に行き、欲しかった服を買った。
ブランド構築の一貫性
ロゴや色などの「ブランド要素」は、顧客の心の中で、ブランドを思い起こす「引き金」の役割を果たします。また、パンフレットやホームページなどの「ブランド体験」は、いわばブランドの世界観を表現する「シナリオ」です。ブランド再認の量を増やし、ブランド再生の率を高める。具体的な施策を両輪で回す必要があります。
ブランディングしていく過程で「ブランド要素」と「ブランド体験」が「刺激」となり、顧客の中で、「ブランド・イメージ」が生まれます。その際に重要な考え方が、企業側がコントロール可能な「一貫性」「意図的」「継続性」この3点を守って運営する事です。
なぜならブランディングする上で企業側の「こう思われたい」と感じてもらう為の「ブランド要素」と「ブランド体験」に一貫性を持たせる事で、顧客側のイメージと一致させ、意図を持って施策を継続させていく必要があるからです。
意図がないと顧客からの反応に対してPDCAサイクルを回せないし、人の記憶はインパクト×回数で記憶に残るので、一貫性のあるブランド施策を継続する必要があるからです。
子供の頃にテレビのCMを見ながら、「高いお金をかけてなぜ同じようなCMを毎回流すんだろう」と思っていましたが、ブランディングを学ぶ事で一貫性のあるCMを継続的に流す事にはちゃんと意図がある事が分かり納得しました。
私はテレビはあまり見ませんし、CMなんかもっと見なかったんですが、最近CMを見るようになりました笑 CMを見る視点は以前とは大きく変わりました。
それは出演するタレントも踏まえて、一流のクリエイターが集まって 数千万の予算で 出来あがったCM(クリエイティブ)を無料で見て学べるからです。全てにおいて一貫性があり、意図を感じるCMはこれからも継続的に見続けるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか? ブランディングは「選ばれたい顧客」に対して「私達はこう思われたい」という明確な「旗印」を9つの一貫性のあるブランド要素を通じて、意図的に、そして継続的に体験し、ファンになってもらう事です。
そう考えた場合、ブランディングは非常に地道で時間がかかる事が分かります。ブランディングは一夜にしてならず。コツコツと継続し、PDCAサイクルを回しながら自社のブランディングを構築していきましょう。
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ブランディングとは ブランド要素とブランド体験について解説! | マスタープラン